あなたの身近に
認知症の方はいますか?
先日、認知症世界の歩き方 という本を読みました。
認知症世界の歩き方
この本を読んでみて、率直な感想は、
認知症の方に寄り添える本だと思いました。
何故か?
それはこの本を読むと
認知症の方に起こっている状況を想像できるから。
です。
本としてのおすすめポイント
・文字が大きくて読みやすい
・イラストやアイコンが多用されていて分かりやすい
・整理されて読みやすい
ASIN:B09G5RBSKG
出版社:ライツ社 (2021/9/15)
著者:筧 裕介(かけい ゆうすけ) 特定非営利活動法人イシュープラスデザイン 代表
監修:認知症未来共創ハブ
kindle版 ¥1,881
単行本 ¥2,090
とにかく、「本人」の視点で認知症を知ることのできる本を目指しました
これは、本の「はじめに」 に書かれている著者のメッセージです。
この本を読むと
「認知症」と言っても個別差、個人差、様々なのだということが分かります。
認知症というと、記憶障害が主な症状だと真っ先に浮かびますが、
記憶障害だけではなく、
温度感覚や皮膚感覚、視覚・聴覚・触覚などの五感や、空間認識や時間感覚などの様々なトラブルにより、行動を起こしているのだそうです。
認知症でない者にとっては何故そのような行動をとるのか分からないこともありますが、
その行動には、本人にとってはしっかりと正しい理由があるのです。
もしもあなたの身内に認知症の方がいらっしゃるなら、その方の行動の
「何故?」
の答え・ヒント がこの本の中で見つかるかもしれない。
もちろん、全てが当てはまるわけではないですが、
認知症のある方に起こっている状況を少しのぞくことができると思います。
この本は、
実際に、認知症のあるご本人にインタビューを重ね、「語り」を蓄積することから始めたそうです。
その数なんと約100名とのこと。
それをもとに認知症の方々が経験される出来事を本人目線でのストーリー仕立てに作られているので、
読者は自然と認知症の方々の状況を想像することができます。
本人に何が起こっているのか想像出来れば、
「じゃ、こう接したらいいんだ」
「ああ、今こういう状況なのかもしれない」
「それなら、このように環境を整えてあげればいいのかも」
お互いに暮らしやすくなる方法が見つかるのではと思いました。
この本をおすすめしたいのは次のような方です。
本を読みながら
以前、父がお風呂を嫌がるようになっていたことを思い出しました。
姉は父が言うことを聞かないことに苦労していました。
父は、今施設に入っています。
当時この本を読んでいたなら、父の状況を想像することができていたら、
もしかすると対応が変わっていたかもしれない。
もっと優しくできたかもしれない。
この先将来、
自分や夫にも いつこのような状況がふりかかるかもしれない。
全然あり得ることです。
いつか来るかもしれないその時、自分自身の動揺を多少抑えることができるかも知れない。
この本は、認知症の世界を想像することができます。